四季の花図鑑  花暦

12月の花  千両[センリョウ/せんりょう]

十二月|師走

千両[センリョウ/せんりょう]

つややかな緑の葉に、紅や黄色のつぶらな実が映える美しい実物

由来

本州中部以西の暖帯からインドなどの熱帯に分布する常緑性の低木。お正月に千両・万両は、その名前からめでたい花、縁起の良い花として飾られます。

千両・万両は、見た目はよく似ていますが、まったく別の仲間。簡単な見分け方は、千両は葉の上に実を付け、万両は葉の下に実を付けます。

名前の由来ですが、千両は、以前は、縁起のよい「仙」の字をつけて「仙寥」と書かれていました。「千両」の字が当てられたのは江戸時代後期からといわれています。
「千両」の語源は諸説あります。葉が小判に似ているとか、赤い実が美しく値千金だという説、万両は実が千両の実に対し、やや大きいことから名前がつけられたという説などがあります。

特徴

つややかな緑の葉に、紅や黄色のつぶらな実が映える美しい実物で、池坊では立花、生花、自由花とお正月の花としてよく用いられます。

池坊の伝書によりますと、実物は本来、お客を招待するときに生けないことになっていますが、千両は実が花のように美しいことと、また、めでたい名前ゆえに珍重され、お祝いの花として用いてもよいということになっています。

ひとことメモ

千両の実は、よく見られると思いますが、花は意外と見たことがないという方が多くいらっしゃるようです。6月頃、白い米粒のような花が咲くのですが、気づかずに見落としがちです。地味なのですが、とてもかわいい花です。(来年、見てくださいね!!)

千両の花を見たことがある方は気づかれたと思いますが、千両の花は少し変わってます。花なのですが、あまり花らしくありません。

千両の花は、花弁や顎などの花被が全くない、雌しべと雄しべだけの珍しい花なのです。
普通の花と違って、花弁や顎などが全くありません。黄緑色の球形のもが雌しべで、雌しべの横に付いた白い米粒のようなものが雄しべになります。
さらに小さくてわからないと思いますが、雄しべの左右には、葯(ヤク)という雄しべの一部で、花粉をつくる器官が2つ付いており、葯の膜が破れ花粉が出ると黄色くなるそうです。

千両の花

四季を楽しむ豆知識

万・千・百・十・一

万両・千両は、皆様良く知られていると思いますが、その下に「百両」「十両」「一両」があるのをご存じでしょうか。

万両、百両、十両は、藪柑子(ヤブコウジ)科。千両は、千両科。一両は、「蟻通(アリドオシ)」の別名で、アカネ科になります。
百両は、正しくは「百両金」といい、「唐橘(カラタチバナ)」の別名です。一桁下がって十両は「藪柑子」の別名で、百両や十両は万両・千両に比べ背が低く、実の数も少ないことから、名づけられたとの説があります。
百両は、葉っぱが細長くギザギザがありません。千両、万両より背が低い。
十両は、百両より背が低く、葉っぱギザギザです。

そして、蟻通(アリドオシ)が一両となっていますが、千両と万両を組み合わせて「千両、万両、有り通し」と語呂を合わせて、寄せ植えにされたりします。「お金は、千両も万両も一年中ありますよ」ということで、蟻通(アリドオシ)が選ばれたようです。
アリドオシはアカネ科の植物で、葉の付け根に鋭い刺があって、その鋭いトゲが蟻をも刺し通すという意味でつけられた名前だそうです。

以上のいずれの植物も、冬に赤い果実をつけている点で共通しており、一両以外は桁が下がるほど草丈が低くなっています。

万両 千両 百両
万両
千両
百両
十両 一両
十両
一両