四季の花図鑑  花暦

2月の花  木瓜[ボケ/ぼけ]

二月|如月

木瓜[ボケ/ぼけ]

奔放に広がる枝に特徴があります

由来

みなさん、知っていますか?木瓜は、バラ科なんです。そういえば、枝にたくさんトゲがありますね。バラ科のボケ属で、開花時期は、11/25頃〜 4/15頃。

中国原産の樹木ですが、かなり古い時代に日本に導入され、平安時代にはすでにあったとされています。11月頃から咲き出す花は「寒木瓜(かんぼけ)」と呼ばれ、これと春に開花するものとに分けられます。

ボケを漢字で書くと「木瓜」。瓜のような形と色をした果実(実は直径7cmくらいに大きくなるのもあります。)が、木の枝にくっついているところからつけられたものでしょうか。 読みの由来は、中国語の「木瓜」(モッカ)が訛ったもので、「モッカ」が「もっけ」となり、次第に「もけ」→「ぼけ」になったようです。

特徴

木瓜は、別名を春を呼ぶ花「放春花」と呼ばれ、日本に自生するクサボケと中国原産のボケを交配して、様々な園芸品種が作り出され、現在では200種を超えます。

枝がよく分枝し、トゲのある小枝が鋭く伸び、奔放に広がる枝に特徴があります。紅や淡紅、白、ぼかしや咲き分けのふっくらとした美しい花を付けます。変化のある枝ぶりを生かし、様々な生け花に用いられます。

池坊では、トゲがあるので祝儀の席では禁花としていましたが、現代ではその伝承が変化し、場合によっては配慮して用いられます。独特の枝の鋭い形や、交差する枝のラインにユニークさを見つけ、造形的に扱ったりします。

木瓜の生花
ひとことメモ

この冬の時季、よく花材として使われる木瓜。6月ごろになると、大きな実がなります。生け花では、あまりこの実を使って作品は生けませんが、食用として使うことができます。生では食べず、果実酒や鎮痛剤の材料として用いられます。

秋には木瓜の実が黄色く熟し、甘い香りがするようになりますが、まだ完全に熟す前の青い実を長時間、酒(焼酎など)に漬けて「木瓜酒」を作ります。梅酒の作り方と似ていますね。
5ヶ月ほどで出来上がります。味わいは人それぞれですが、薬膳酒ですので、あまり美味しくないようです。このお酒は、疲労回復や暑気あたりに良いとされています。

四季を楽しむ豆知識

家紋

家紋は、日本において古くより自らの家系、血統、家柄、地位を表すために用いられてきた紋章です。いろんなものをモチーフに作られていますが、植物をモチーフにした家紋もたくさんあります。

今月の花暦のテーマ「木瓜」も家紋のモチーフになって、沢山の種類があります。家紋の「木瓜」は「もっこう」と呼ばれ、そのデザインは、輪切りにした瓜の切り口を連想します。本当は地上の鳥の巣を表現したものとされていて、神社の御簾の帽額(もこう)(簾や帳などの上部に、横に長く張った布のこと。)に多く使われた文様(果紋)であったので、「もっこう」と呼ばれるようになったと言われています。

鳥の巣は子孫繁栄を意味し、神社で用いる御簾は吉祥であるということから、めでたい紋とされ、織田信長を代表として家紋とした武家は多くあります。

池坊の家紋である「橘」も、たくさんあります。橘は蜜柑の原種で香気が強く、昔の人々はその香りを好んだようです。木は雪害に耐え、よく育つことから、人徳があって奥ゆかしい人を「橘のようだ」と喩えたといいます。

奈良時代は街路などにも植えられていたようで、珍重される植物であったゆえに家紋に使われるようになったのではないでしょうか。

橘の家紋は、橘氏の代表紋であり、橘氏の一族が多くしようしていました。幕末に大老を出した彦根の井伊氏も橘紋です。