四季の花図鑑  花暦

6月の花  鉄線[テッセン/てっせん]

六月|水無月

鉄線[テッセン/てっせん]

蔓性植物の女王

由来

鉄線は、中国より江戸時代に渡来したといわれています。蔓が鉄線のように強いと言うことが命名の由来です。鉄線の美しい形は、着物の模様など広く用いられました。
これだけ綺麗な花なのに、蔓の強靱さから名前の由来がきているというところが面白いですね。

鉄線の名前ですが、他に風車やクレマティスという名前も聞かれたことがあると思います。鉄線は中国、風車は日本が原種といわれて、鉄線花は6枚の花びら、風車は8枚、と見分けるのが通例でしたが、いろいろ品種改良され多数の園芸種がクレマティスの名で総称して用いられています。

特徴

大部分は蔓性の多年草で、クレマティスの名前もギリシャ語で蔓を意味する「クレマ」に由来し、葉柄を支持物に巻き付けて生育します。

ガーデニングの本場であるイギリスでは、バラとともに親しまれており、バラを「キング」、クレマティスを「クィーン」と呼び、「蔓性植物の女王」と名付けられております。

ひとことメモ

鉄線は従来、蔓性で6〜8枚の花弁ですが、品種改良され、直立性で小さい釣鐘状の花が咲き、花弁も4枚のものが栽培されています。花が釣鐘状なので「ベル鉄線」や「ベル・クレマティス」という名前でお花屋さんの店頭に並んでいます。

花の色も藤紫や紅紫色などいろいろあり、愛らしさと素朴さが好まれて人気を呼んでいます。

ベルテッセン

四季を楽しむ豆知識

花と思っていたら・・・

鉄線(クレマティス)は世界的に品種改良され、種類も豊富にあり、その気品のある美しさは見る人をやさしい気分にしてくれます。
花の形は、着物の模様など広く用いられましたし、生け花でも人気の花材です。

この人を魅了する鉄線の花ですが、実は花びらに見えるのは「萼(がく)」なのです。ほとんどの種類で花弁が退化し、その代わりに萼が花のように咲きます。他の花では、シュウメイギクもそうで、秋明菊と書きますがキク科ではなく鉄線同様にキンボウゲ科の植物になります。鉄線のような花びらがなく、萼が花びらの役割をしているのを「単花被花」といいます。

「単花被花(たんかひ‐か)」 花被が一重のもので、萼に相当します。花冠にまでは進化しなかった種なのです。
「花被(かひ)」 一般に、花冠と萼の区別がない場合、両者を一括した呼称。
「花冠(かかん)」 一つの花の花弁全体

植物は、進化するにつれて役割を細かくしていきます。葉の一部が花葉になり、さらに、色や形を変えて花被になったのでしょう。受粉するとき、昆虫の助けを借りるためには、昆虫の目印になるようにいろいろな工夫をしたのでしょうね。