いけばなの根源池坊展〈東京花展〉を日本橋三越で開催しました
華道家元池坊では5月21日から26日、日本橋三越本店(東京都中央区)でいけばなの根源池坊展〈東京花展〉を開催しました。今回は『花 いのち みらい』をテーマに、池坊専永家元、池坊専好次期家元、池坊専宗青年部代表をはじめ関東甲信越および静岡で活躍する華道家の作品を、期間中に延べ約400作展示しました。
初日は来賓を迎えて開会式が行われ、テープカットによる開会の後、家元、池坊雅史事務総長、青年部代表による巡視が行われました。
家元作品は「命の、植物の凄さ」として、黄金土佐水木、ユリ(マニフィーク)、松、梅の苔木、シャレ板などを使用した大作の立花新風体を出瓶し、「いけばなの美しさは緑と水と光の恩恵である。目に映るものは形と色、それらは美のひとつの側面ではあっても、美の本質ではない。この花は色遣いを極限まで抑えている。深い影を背に、あふれんばかりの生命力をもつ緑が映える。この命の、植物の凄さをあらわすには、色や形に頼っては伝わらない」などとコメント。
次期家元作品は枯れたミモザアカシアの枝を生かし、アプライト、パンダヌス、沖縄しゃがなどを用いた大作自由花で命の変化を表しました。
青年部代表は、当季の花の中で心を動かされたコバノズイナ、燕子花を用いたいけばなをいけました。
「いのち輝く池坊のいけばな」コーナーは、池坊の命の哲学を表す言葉、解き明かす言葉を作品に添えて展示しました。
「『大阪・関西万博』再現」コーナーは、4月に万博で開催された「いけばなの根源池坊展―TRANSITION―」で使用した展示台を用い、一部再現。スナップ写真の掲示やイメージ動画も流しました。
青年部花席は、コーナー内にさまざまな木を配し、テーマ『木を触り、林に立ち、森を生きる。』を感じられるようにされ、コーナーコンセプトを出瓶者が壁に手書きするなど、昨年とはまた違った会場デザインとなりました。
また、花形別のコーナーや、皆伝までが出瓶できるチャレンジコーナー、学校や伝統文化親子教室などで学ぶ学生の花席も設けられ、日ごろの稽古の成果を披露しました。
本館1階ライオン口には陸丹研究員による大作が来館者を迎えました。
本館1階天女像前では東京連合支部青年部の作品が展示されました。
期間中、2次展には次期家元、3次展は池坊美佳審議役による巡視が行われました。
また22日、24日、25日には東京連合支部青年部によるミニいけばなワークショップが実施され、多くの方にいけばなを体験いただきました。
期間中、多数ご来場いただき、誠にありがとうございました。
いけばなの根源池坊展は全国で開催しています。