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2021.10.08

Meet Ikenobo Across the Globe #4 池坊ベトナム中央スタディグループ

世界各国、さまざまな地域で池坊いけばなを愛し、日々稽古を積んでいる池坊の支部・スタディグループを紹介します。

第4回目は、東南アジア・ベトナムの首都ハノイの池坊ベトナム中央スタディグループにお話をうかがいしました。

Q:ハノイはどんな街ですか?

A:皆様はベトナムの首都、ハノイにお越しになられたことはありますか?千年の歴史を持つ古都ハノイは、歴史の刻印が色濃く残る街でありながら、活気あふれる近代的な都市でもあります。ハノイの中心部、旧市街は歴史的・文化的価値を持ち、ハノイ観光の定番エリアとなっています。その旧市街の中に毎週のいけばな教室やいけばなに関するさまざまな活動が行われ、いけばな愛好者をつなぐ場となっているIkebana Houseの本拠地があります。

Q:ベトナム中央スタディグループについて教えてください。

A:ベトナム中央スタディグループは、グェン・タン・ツー講師に指導いただいています。「いけばなは単に綺麗な作品をいけるのではない」という言葉はツー先生が好きな言葉でもあり、グループの指針ともなっています。いけばなを学ぶことは、花の外見的な美しさだけでなく、作品を通じて自分の思考や人生観を表現するということを先生から教えていただいています。

普段のお稽古の様子

本グループは2017年から活動を開始し、2021年4月に池坊ベトナム中央スタディグループとして正式に認められました。支部の会員は入門者を含め、全員で45名となりました。Ikebana Houseでは、会員向けの毎週のお稽古や、いけばなに興味のある初心者向けのワークショップなどさまざまな活動が行われています。これらの活動により、日本の伝統文化の一つであるいけばなの美しさをベトナムの多くの人々に知ってもらい、徐々にいけばながベトナムで人気を集めつつあります。

本グループでは会員同士のつながりを深め、いけばなをベトナムでより広く知ってもらうため、さまざまなイベントに参加しています。「ハノイいけばな展」は2017年から毎年開催され、会員同士の交流だけでなく、花の愛好家に日本の文化やいけばなの素晴らしさを伝えたいという目的で継続的に行われてきました。

ハノイいけばな展(2020年)

いけばな展では免許状の授与も行われました

花展以外にも、毎年お正月明けに行われる初生け式も、会員が楽しみにしている行事の1つです。

コロナの状況が落ち着いたら、2021年秋に第5回ハノイいけばな展、またホーチミン市で第1回目の花展を開催する予定を立てています。

初生け式でのデモンストレーション

初生け式後にはみんなでお茶を

Q:ハノイでは、どのような花が楽しめますか?

A:ハノイは自然に恵まれ、日本と同様に四季がありますが、月(季)ごとに特別な花が咲くため、12季の花の都市とも呼ばれています。教室での普段のお稽古では季節ごとに咲く花を使用しますが、トルコギキョウや菊、バラなどのいけやすい花もよく使います。特に夏の代表と呼ばれる蓮の花は、使われることが多いです。蓮の花はベトナムの国花でもあり、ベトナム人にとって特別な意味を持ちます。その清楚で優雅な美しさを見ているだけで、清らかな気持ちになります。

今回はベトナム中央スタディグループをご紹介いたしました。次回はどの国の支部をご紹介するのか、ぜひ楽しみにしていてください。

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