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2016.04.06

戦国時代の家元、池坊専好(初代)が主人公の映画『花戦さ』が製作発表!

戦国時代の家元、池坊専好(初代)がいけたという伝説のいけばな『前田邸の大砂物』の歴史ストーリーを映画化すると、東映株式会社が発表しました。

これは2011年、角川書店から発行された小説『花いくさ』(著:鬼塚忠氏)の映画化で、池坊の家元が主人公となる映画が製作されるのは初めてのことです。

主人公の池坊専好(初代)は実在の人物で、戦国時代に六角堂の執行を務め、戦国武将の毛利輝元や前田利家の屋敷に呼ばれ花を立てるなど、立花の大成期に活躍した人物です。

劇中に登場する100作を越える立花や砂物、抛入花等のいけばな作品は全て池坊が担当します。
本映画の上映は、池坊が文献に記されてから555年目を迎える2017年に全国公開となります。

主演の池坊専好(初代)を演じる狂言師の野村萬斎氏は、
「専好は、戦乱の時代の中で、花で世に語りかけ、花と共に生きた人。 命あるものに更に命を吹き込む、純粋(ピュア)な存在として演じたい。 専好は伝統を受け継ぐだけでなく、常に時代の空気を感じながら、“その時々の花の美しさ”を追求する。その姿勢は世阿弥の言っていることであり、我々の狂言の世界と相通ずるものがあると思っております」
と映画に対する意気込みをコメントされました。

東映株式会社から発表された内容は以下の通りです。

■映画『花 戦さ(はないくさ)』
■原作 鬼塚忠「花いくさ」(角川書店)
■脚本 森下佳子
■音楽 久石譲
■監督 篠原哲雄
■出演
野村萬斎 / 池坊専好
市川猿之助 / 豊臣秀吉
中井貴一 / 織田信長
佐々木蔵之介 / 前田利家
佐藤浩市 / 千利休


映画「花戦さ」キャスト

<作品解説>(東映株式会社より)

――戦国の世に、刃(やいば)ではなく、花をもって、平和を求めた男がいた――

16世紀後半、織田信長が本能寺で倒れたのち、天下人の座は、豊臣秀吉へと引き継がれ、戦乱の時代が終わりを告げようとしていた。だが秀吉の圧政は次第に人々を苦しめていく。そんな中、町衆の先頭に立ち、秀吉に真っ向から戦いを挑んだ僧がいた。
その名を池坊専好。華道池坊の歴史に名を連ねる花僧たちの中、ひときわ名手の誉れ高い専好が、天下人に対して武器としたのは、刃ではなく、命ある花の美しさだった。

池坊専好が豊臣秀吉に前田邸で披露したといわれる「大砂物」。そこから生まれた伝説に着想を得て、新たな物語を作り上げた鬼塚忠の小説「花いくさ」を原作に、脚本を手掛けるのは、「JIN-仁-」「ごちそうさん」「天皇の料理番」など、数々の名作ドラマを生んだヒットメーカー、森下佳子。監督は、情感あふれる作品づくりに定評があり、藤沢周平原作の「山桜」や「小川の辺」など、時代劇でもその手腕をみせた篠原哲雄。音楽は、スタジオジブリ作品、北野武作品などを中心に、日本の映画音楽界を牽引する巨匠、久石譲。また題字を、力強いタッチで世界的にファンを広げる、金澤翔子。劇中絵画を、その作品が大英博物館に所蔵展示された小松美羽が担当。日本を代表する若き女性アーティストたちが、作品に彩りを添えます。

さらに配役では、二十年に一度と思われる豪華俳優陣の共演が実現。
花を生けることで、戦乱に生きる人々の心を救う花僧・池坊専好を演じるのは狂言界のトップスター野村萬斎。天下人・豊臣秀吉には歌舞伎界の若き大看板・市川猿之助。また、本編を一人で背負うことの出来る、日本映画界を支えるメンバーが集結。
織田信長には中井貴一。前田利家には佐々木蔵之介。そして専好と深い友情と信頼を築き、共に美を追い求めた茶人・千利休には佐藤浩市と、邦画界の実力派たちが顔を揃えました。
そしてその俳優たちの迫真の演技は、時代劇のメッカともいうべき京都太秦の映画人たちの手によってカメラにおさめられ、スクリーンで躍動することでしょう。

今回の作品に深くかかわる華道家元池坊は、来年、「花を生けた」という記録から、555年となります。
世界に誇る文化として、長く日本人の心に息づいてきた「生け花」ですが、そこに焦点を当てた映画作品は、これまでありませんでした。そしてこの作品では、華道のみならず、茶道も含めた日本文化の神髄が余すところなく描かれます。

映画「花戦さ」は、4月にいよいよ撮影開始。2017年に公開が予定されています。

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