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2025.11.02

青年部代表 池坊専宗が京都芸術大学「京都学」講座で講演しました

池坊専宗青年部代表は9月30日、京都市左京区の京都芸術劇場(春秋座)で開かれた京都芸術大学「京都学」講座(全6回)の4回目に登壇しました。
同講座は、京都の各界で活躍する次代の旗手たちが「京都」の魅力を講義し、伝統・文化継承につなげていきたいと企画されたもの。当日は学生や市民が受講しました。

青年部代表はいけばなの成り立ちについて、時代の流れをたどり、その精神性を解説しました。

いけばなの起源は、6紀頃に大陸から伝来した仏教にあり、仏前の「三具足」が、生活空間に花を置くきっかけとなりました。平安時代には貴族の間で「花合わせ」が生まれ、武家の時代には床の間の飾りとして、花のいけ方が定められました。心の修養を伴う芸道としての「華道」が誕生したのは、15世紀の応仁の乱が大きなきっかけです。既存の秩序が崩壊した無法の時代、池坊の祖先は『専応口伝』を残しました。そこでは、美しく飾るだけでなく、自然の姿を思い浮かべ、葉も含めた植物の「命の移ろい」や外面的な美しさの奥にある「面影」を見つめることの重要性が説かれています。命ある人が植物の命を見つめることで悟りに近づくという『専応口伝』の精神が、華道の出発点となりました。そして、世界中で戦争が勃発する今でも説得力がある部分ではないかと述べました。
その後、江戸、明治と時代と共に花の姿は変遷し、現代では再び、身近な草花に情愛を注ぐという原点に立ち返る風潮が生まれていると結びました。

続いてデモンストレーションに入り、青年部代表は4つのガラスの器に白たで、バラ、ホトトギスを用い、葉も生かしたさりげない、軽やかな花をいけました。

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