イベントレポート
2025.09.01

2025年 祇園祭に各所でいけばな作品が展示されました

京都の八坂神社の祭礼で、千年以上の歴史を持つ祇園祭は日本の三大祭の一つで、豪華な美術品で飾られた山鉾が並び、京の夏の風物詩として知られています。山鉾町では宵山の期間、御神体や懸装品を公開する会所飾りや、所有する美術品などを披露する屏風祭が行われます。

池坊では山鉾が建つ前祭・後祭にあわせて、厄除けの花と伝わるヒオウギ(檜扇)のいけばな展示や立花の奉納を行いました。また、六角堂においてもご本尊にヒオウギが供えられました。

◇池坊短期大学 2025年度「祇園祭協賛 花きらきら」次期家元特別出展・青年部代表写真展示

7月15日・16日、池坊短期大学で「祇園祭協賛 花きらきら」が開催されました。
このイベントは、祇園祭に合わせて例年開催されるもので、授業でいけばなを学ぶ学生たちの作品発表の場となっていましたが、来年3月の短期大学閉校にともない本年が最後の開催となりました。

洗心館1階 ロビーでは池坊専好次期家元による特別出展がおこなわれ、次期家元は大きな球状の土台にさまざまなお菓子の箱をあしらい、ヒマワリとアスパラガスをふんだんに配した、賑やかできらきらした雰囲気の大作自由花を展示。1997年から始まった『花きらきら』に出瓶された作品スナップの数々もガーランドのように飾りました。
訪れた人々は、作品の中に入って鑑賞したり、写真を撮影したりしていました。

美心館1階 ロビーでは、『そこに、確かにあるもの』と題し、池坊専宗青年部代表の写真展示がおこなわれました。「授業や部活動に打ち込む姿など、学生のさまざまなシーンを撮影し、学園の記憶を残したい」との思いから、学校風景や授業の様子などを撮りおろした写真600枚が、学生の協力のもと展示されました。

池坊専好次期家元の大作

(左)作品を鑑賞する来場者 (右)青年部代表の写真展示

また、学生による花きらきら花展や茶会、スイーツ販売、授業の集大成として「立花Ⅱ」受講者による立花祭や「いけばな大作実習」受講者による大作展示、池坊保育園児の作品展示などもおこなわれました。

学生によるいけ込み

(左)多くの方が訪れた花きらきら花展 (右)池坊保育園児の作品展示

◇南観音山のご本尊にいけばなを奉納

祇園祭の山鉾のひとつ、南観音山のご本尊・楊柳観音像(ようりゅうかんのんぞう)にいけばなを奉納しました。
いけばな奉納は毎年池坊で行っているもので、ご本尊に立花を、ご本尊脇の善財童子(ぜんざいどうし)に仏花を奉納しました。いけばなは、後祭期間中の7月21日から23日まで展示されました。

奉納されたいけばな

◇第39回~祇園祭にいける~いけばな展 ストリートギャラリー

京都いけばな協会に所属する流派が、八坂神社前の祇園石段下から烏丸までの四条通のショーウィンドウをストリートギャラリーとして、いけばなの作品を展示。
池坊からは城野眞理子支部長(京都支部)が7月15日から17日まで、よーじや四条河原町店に作品を展示しました。

城野氏の作品

◇池坊短期大学 山鉾町会所にいけばな展示

古くから退魔の力があると考えられてきたヒオウギは、祇園祭の頃、京都の町屋の玄関や床の間に飾られてきました。
池坊短期大学でいけばなを教える教授陣が前祭期間中の7月14日から16日まで、山鉾町の会所(岩戸山、放下鉾)にヒオウギのいけばなを展示しました。

(左)岩戸山 (右)放下鉾

◇ 六角堂の本尊にヒオウギ

7月中旬~下旬まで、六角堂の本尊にヒオウギの生花が供えられました。

本尊に供えられたヒオウギ

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