次期家元 池坊専好「永樂屋創業410年記念会」で立花披露、対談
江戸時代から続く手ぬぐいの老舗 永樂屋の創業410周年記念会が10月25、26日の両日、細辻伊兵衛美術館(京都市中京区)で開かれ、25日に池坊専好次期家元が立花をいけ、永樂屋十四代当主・細辻伊兵衛氏と対談しました。
対談に先立ち次期家元は、永樂屋創業と同時期の寛永7年(1630)の絵図「立花之次第九拾三瓶有(池坊専好立花図)」(重要文化財)をもとに立花を再現して披露。ケイトウやキク、ヒノキ、トキワガヤ、枇杷など色とりどりの秋の花などをいけ、祝いの会に華やかな彩りを添えました。次期家元は「二代専好は後水尾天皇との付き合いが深い人物。後水尾天皇は宮中で文化サロンを開催し、二代専好はたびたび呼ばれ、先生として天皇や公家に教えをしていました。そのころ二代専好がいけていた作品が、いまでも絵図になって残っています。永樂屋の歴史を思いながらいけました」と話しました。
対談で次期家元は来年の寛永行幸400年に触れ、「京都全体で見直して、どういう意義があったのか、京都の暮らしにどうやって反映されていたのかという企画がされている」と述べました。また、お二人が共に実行委員会として参加された、コロナ禍に行った令和京都博覧会や、10月に閉幕した大阪・関西万博についても話され、互いに受け継いできた日本の生活文化について語り合いました。
また、「立花図并砂物」(第21図)をもとにした、松を真に据え、風になびくススキが配された立花を京友禅の染色技法で表現した絹本作品のお披露目もおこなわれました。若宗匠は「専好立花図はたくさん残っているが、100くらいいろんな絵図を見て、どういうものがいいか考えました。せっかくの手描きなので色が重要。絵図の中で、ダイナミックな構成で色彩がはっきりしたものを選びました」と話しました。


