池坊のいけばな 3つのスタイル~生花(しょうか)

生花は江戸時代中期に成立した様式で、1~3種類の花材を用い、草木が地に根を張り生きる姿を表現します。

生花(しょうか)とは

生花(しょうか)

生花が表現するもの

立花が草木の調和に美を求めることに対し、生花は草木の命が現れる出生(しゅっしょう)の美に注目します。出生とは草木それぞれが持つ特徴、いわば個性で、草木が懸命に生きる様々な姿に美を見出したものが出生美です。生花は草木の出生美にもとづき、一瓶の中に品格をもって草木の命を表そうとする様式です。

生花には伝統的な型を持つ「生花正風体」と、既成の型を持たない「生花新風体」があります。

生花正風体(しょうかしょうふうたい)

明治時代に成立した様式で、小座敷の床の間にふさわしい小型のいけばなです。数少ない枝で、草木に息づく命に重点を置いていけられます。

生花正風体の特徴

古来、万物の基礎と考えられてきた三才(天・地・人)になぞらえた真(しん)・副(そえ)・体(たい)と呼ばれる三つの役枝で構成されます。三つの役枝が互いに呼応し、水際からすぐやかに伸びたつ姿に、草木に備わる出生美を見ることができます。

生花新風体(しょうかしんぷうたい)

現代の暮らしに適応する新たな生花として1977年、当代の家元池坊専永により発表されました。

生花新風体の特徴

池坊の伝統的な美意識を背景に、色・形・質感や、葉の伸びやかさや枝のはずみなど、草木を多角的にみつめ、様々な美を見出します。従来の生花正風体の型には収まりきらない草木の出生美を表します。

生花が誕生した背景

立花が大座敷などの公の場に用いられたのに対し、私的な場にいけられた「いけはな」や「抛入(なげいれ)花」は、定まった型を持たない簡略な花でした。やがて、小座敷が普及するにつれ、小さな床の間にも格を持った花が求められるようになります。このような背景のなか、生花は誕生しました。

宗偏生花図

【いけはな・抛入花】
『宗偏生花図』

生花の歴史

初期の生花

江戸時代中期、小座敷の床の間にふさわしい花として生まれた生花は、従来のいけはなや抛入花とは異なり、花留を使って草木を自立させることで、草木が生きる姿を格調高くあらわしました。

生花の普及

江戸時代中期から後期にかけて、立花に比べて手軽にいけられる生花は庶民の間にも流行し、風俗図などにも生花の図が見られるようになりました。また、立花は男性が嗜むものでしたが、生花は女性でもいけられる花として広く浸透しました。

伝統のいけばな ~生花正風体~

江戸時代後期には生花に三つの役枝が定まるとともに、生花の型が整い、明治時代になると正風体と呼ばれる規範が示されました。これにより、生花は習いやすく教えやすい花形として広く普及し、今日に至っています。

生花之次第

【初期の生花】
『生花之次第』

青楼美人合姿鏡

【生花をいける女性】
『青楼美人合姿鏡』

専正生花集

【生花正風体の確立】
『専正生花集』

現代の空間 ~生花新風体~

1977年、当代の家元池坊専永により、現代の暮らしに適応する新たな生花の様式として「生花新風体」が発表されました。自然をうつすという生花の基本は守りつつ、従来の型にとらわれない柔軟な発想によっていけられます。

生花新風体

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